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Yuji Nakada

顧客が本当に必要だったドリル

プロジェクションされた野原の映像の前に、穴の空いた木の板が置かれています。その穴に指を入れると凶暴なモーター音とともに板が振動し、映像内では空中に電動ドリルが出現します。その行為を繰り返すたびに電動ドリルは増えていき、野原を埋め尽くします。

マーケティング分野の格言に「ドリルを買いに来た人は、ドリルではなく穴がほしいのだ」というのがあります。作者は常々、このことばに違和感を感じていました。道具を作り、その道具で環境を変改する行為は、人間の根源的な欲求です。だから、使うかどうかわからない道具や部品も買ってしまうし、この欲求には抗えません。本当に必要なものなんて、誰にもわからない。

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中田 裕士(電化美術)

電化美術CTO兼、電機メーカーのUXデザイナー。